40代から60代のミドルシニア世代は、若い世代と比べて長く働いていることもあり経験やスキルが豊富である一方で、年齢や待遇などの制約も多く転職市場では不利な立場にあります。
では、なぜミドルシニアは転職を考えるのでしょうか?
この記事では、ミドルシニア世代の転職事情と転職のメリット,デメリット、転職活動を進める方法などを解説します。
ミドルシニア世代の転職希望者の推移
ミドルシニア世代の転職希望者の近年の推移はどうなっているのでしょうか?
厚生労働省の雇用動向調査によると、令和3年(2021年)に転職入職した者のうち40~54歳の者は約28万人で、全体の約15%を占めました。
令和2年(2020年)に比べて約1万人減少しており、全体の割合も約1ポイント低下していますが、この減少は、新型コロナウイルス感染症の影響によるものと考えられます。
ミドルシニアが転職を考える理由
ミドルシニアが、転職を考える理由は様々ですが、厚生労働省の転職者実態調査によると主な理由として以下のようなものが挙げられます。
- 「現在の仕事に不満や不安がある」
- 「新しい挑戦や成長を求めている」
- 「ライフスタイルや価値観の変化に対応したい」
給与や待遇の低下、キャリアの停滞、仕事の内容や環境の変化、人間関係の悪化などの要因によって、モチベーションが低下したり、ストレスが溜まったりすることで、仕事への意欲や適性が失われてしまう方が多くいます。
また、将来への不安として定年やリストラなども、転職を考える要因となります。
現在の仕事に不満や不安がある
ミドルシニアは、現在の仕事に対して不満や不安を抱えていることが多いです。
例えば、給与や待遇の低下、キャリアの停滞、仕事の内容や環境の変化、人間関係の悪化などです。
これらの要因によって、モチベーションが低下したり、ストレスが溜まったりすることで、仕事への意欲や適性が失われてしまうこともあります。また、定年やリストラなどの将来への不安も、転職を考える原因となります。
- 給与や待遇が低い・昇給が見込めない
- 仕事の内容や環境が合わない・やりがいがない
- 人間関係や上司とのトラブルがある
- 会社の経営状況や将来性に不安がある
- 肉体的・精神的な負担が大きい
新しい挑戦や成長を求めている
ミドルシニアは、自分の能力や経験を活かして新しい挑戦や成長を求めていることもあります。
例えば、自分の専門性を高めたり、新しい分野に挑戦したり、自分の価値観に合った仕事をしたりすることです。
これらの要望に応えられない現在の仕事では満足できず、自分らしく働ける場所を探すことになります。
- 自分の能力や経験を活かしたい・発揮したい
- 自分の興味や関心のある仕事をしたい
- スキルや知識を向上させたい・学びたい
- キャリアアップやキャリアチェンジをしたい
- 自分の価値観や目標に合った仕事をしたい
ライフスタイルや価値観の変化に対応したい
ミドルシニアは、ライフスタイルや価値観が変化することもあります。
例えば、家族や健康などのプライベートな問題に時間やエネルギーを割きたい場合や、社会貢献や趣味など自分の興味や関心に沿った仕事をしたい場合です。
これらの変化に対応できるように、勤務地や勤務時間、休日や残業時間などの条件を変えたり、仕事内容や業種を変えたりすることで、ワークライフバランスを整えたり、自分らしさを表現することができます。
- 家族や子育て、介護などの私生活と仕事の両立をしたい
- 勤務地や勤務時間、休日等の労働条件を改善したい
- 健康状態や体力に合わせた仕事をしたい
- 自分らしく働きたい・自己実現したい
- 社会貢献や社会問題解決などの意義ある仕事をしたい
転職するメリットデメリット
転職は、自分のキャリアや働き方を変える大きなチャンスですが、同時にリスクも伴います。
転職を考えている人は、メリットとデメリットをしっかりと理解して、納得のいく決断をすることが大切です。
転職のメリット
年収や待遇の改善が期待できる
転職することで、自分の能力や経験に見合った年収や待遇を得られる可能性があります。
特に、ハイクラスな求人に応募することで、高収入や高待遇を実現できることもあります。
新しい経験やスキルが身に付き、キャリアアップできる
自分の興味や関心,目標や夢に合った仕事を探すことができます。
新しい業界や職種に挑戦することで、スキルや知識を向上させたり自分の価値観や存在意義を見つけることができます。
仕事と私生活のバランスが取れる
自分のライフスタイルや価値観に合わせた仕事を探すことができます。
家族や子育て,介護などの私生活と、仕事の両立をしたい場合には勤務地や勤務時間,休日などの労働条件を改善できることが期待できます 。
自分に合った社風や制度のある会社で働ける
自分の性格や個性に合った人間関係や社風を探すことができます。
パワハラやセクハラなどのトラブルに悩んでいる場合には、ストレスや苦痛から解放されるでしょう 。
転職のデメリット
年収や待遇が下がる可能性がある
現在の年収や待遇を維持することが、難しい場合があります。
未経験の業界や職種に転職する場合や、大手企業から中小企業に転職する場合には、年収や福利厚生などが低下する可能性が高いと言われています 。
新たな人間関係の構築が必要となる
転職先では、ゼロから人間関係を築くことになり、その分のエネルギーを費やす必要があります。
また、新卒入社と異なり、同期がいないことに寂しさを感じることもあるでしょう 。
退職金や企業年金が少なくなる
退職金や企業年金の受け取り額が少なくなる可能性があります。
退職金や企業年金の有無や内容は企業によって異なりますが、一般的には勤続年数が長いほど受け取れる金額が多くなります。
転職することで勤続年数がリセットされるため、生涯年収ダウンにつながるかもしれません 。
ローンの返済や借り入れが難しくなることもある
住宅ローンやカードローンなどの審査に影響が出る可能性があります。
特に、勤続年数や年収が低下する場合には、借り入れや返済が難しくなることもあります 。
転職するか検討する
転職は自分のキャリアや働き方を変える大きなチャンスですが、同時にリスクも伴います。
転職を考えているミドルシニアの方は、メリットとデメリットをしっかりと理解して、納得のいく決断をすることが大切です。
自分の転職理由や目標を明確にする
転職する理由や目標は人それぞれですが、自分にとって本当に重要なものは何なのか、よく考えてみましょう。
例えば、年収や待遇,スキルアップやキャリアアップ,仕事と私生活のバランス,社会貢献や自己実現などがあります。
転職理由や目標を明確にすることで、転職先の選択肢や条件を絞り込むことができます。
自分の強みや弱みを客観的に分析する
ミドルシニアは、経験やスキルが豊富で、責任感やリーダーシップもあるなどの強みがある一方で、新しい技術や知識に適応できないなどの弱みもあります。
自分の強みや弱みを客観的に分析したうえで、自分に合った仕事を見つけることが大切です。
転職市場の動向や情報を収集する
転職市場は、常に変化しています。
自分が希望する業界や職種の需要や供給,給与相場や待遇水準、採用傾向や評判などを調べておくことが重要です。転職サイトで転職市場の動向や情報を収集しましょう。
転職活動に時間や労力をかける覚悟をする
ミドルシニアの転職は、自分の希望や条件に合う求人を探すことや、履歴書や職務経歴書を作成することなど多くの時間や労力が必要になります。
現職を続けながら転職活動をする場合には、仕事との両立にもストレスがかかることがあります。
転職活動に一定期間を要する覚悟で臨む必要があります。
転職支援サービスや専門家に相談する
ミドルシニアの転職は一人で行うよりも、専門家に相談した方が成功率が高まります。
転職サイトや転職エージェントなどの転職支援サービスでは、キャリアアドバイザーやコンサルタントなどが、転職市場の情報やノウハウを提供してくれます。
また、非公開求人の紹介や書類添削、面接対策、面談調整、条件交渉なども代行するため、転職活動がスムーズに進みます。
まとめ
ミドルシニア世代の転職希望者の推移は、転職入職者のうち全体の約15%を占めています。
ミドルシニア世代の方は、現在の仕事に不満や不安がある,新しい挑戦や成長を求めている,ライフスタイルや価値観の変化に対応したいなどの要因で転職を考えています。
転職するメリット,デメリットは以下の通りです。
メリット
- 年収や待遇の改善が期待できる
- 新しい経験やスキルが身に付き、キャリアアップできる
- 仕事と私生活のバランスが取れる
- 自分に合った社風や制度のある会社で働ける
デメリット
- 年収や待遇が下がる可能性がある
- 新たな人間関係の構築が必要となる
- 退職金や企業年金が少なくなる
- ローンの返済や借り入れが難しくなることもある
転職は自分の人生にとって大きな決断です。慎重に考えて、自分にとって最善の選択をすることをおすすめします。
転職サイトや転職エージェントなどの転職支援サービスに登録し上手に使うことで、自分に合った求人と出会う機会が増えます。また、転職サイトに登録することで、現在の自分の市場価値を確認することもできますので、すぐに転職をしなくても転職サイトへ登録することを強くお勧めします。
最後までお読みいただきありがとうございます。
この記事がお役に立てば幸いです。
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